新しいCKD-MBDの考え方-ガイドライン改訂後の対応
FGF23の最近の知見
福本 誠二
1
1東京大学医学部附属病院 腎臓・内分泌内科
キーワード:
骨疾患-代謝性
,
慢性腎臓病
,
線維芽細胞増殖因子-23
Keyword:
Bone Diseases, Metabolic
,
Renal Insufficiency, Chronic
,
Fibroblast Growth Factor 23
pp.113-116
発行日 2013年1月10日
Published Date 2013/1/10
DOI https://doi.org/10.19020/J01864.2013150689
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線維芽細胞増殖因子23(FGF23)は,いくつかの低リン(P)血症性くる病・骨軟化症の原因因子として同定された.その後FGF23はP調節ホルモンとして作用すること,CKD-MBDの発症にも関与することが明らかにされた.一方,多くの疫学研究が,FGF23の高値と,死亡率や心血管疾患,慢性腎臓病の進行,骨折や骨密度の低下などの有害事象との間に相関関係が存在することを示している.さらに,FGF23が直接心肥大を惹起するとの成績も報告された.ただし,FGF23の高値と種々の有害事象との関連の機序は必ずしも明らかではなく,FGF23作用の阻害は心肥大を促進する遺伝子発現に影響を及ぼさない.したがって,FGF23のP代謝以外の作用については,さらに検討が必要である.
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