特集 遺伝子・タンパク質のファミリー・スーパーファミリー
8.信号伝達系
細胞内
受容体
FGF受容体ファミリー
遠山 正彌
1
1大阪大学医学部解剖学第二講座
pp.550-552
発行日 1995年10月15日
Published Date 1995/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900998
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[構成員]FGF受容体(FGFR)1(flg型),FGFR2(bek型),FGFR3,FGFR4。その他,mRNAのスプライシングによるいくつかのvariantsの存在が報告されている(例,最外側のIg様ドメインの欠落,膜貫通構造を有しないもの,膜貫通部周辺のアミノ酸の置換など)1)。
概説
FGFRはFGFの生理機能発現の最初の受け皿として,細胞膜表面に存在する高親和性受容体として知られていたが,その一次構造の解明は,1989年WilliamsらによるトリFGFRのクローニングがその端緒となった。後にflg型と呼ばれるWilliamsらによるトリFGFRおよび,1990年ReidらによりクローニングされたマウスFGFRは,細胞膜を1回貫通する蛋白で細胞外にはIgG様ドメインを3個,細胞内にはチロシンキナーゼ(TK)ドメインを有し,EGFやPDNF受容体と基本的には同様の構造を有する(図1)。トリおよびマウスFGFRの遺伝子配列はヒト遺伝子flg型とほぼ同様の構造を有すること,また1990年マウスFGFRがクローニングされた時も,同じくしてDionneらにより既に報告されたFGFRと相同性の高い新たなFGFRが見いだされた(表1)。ここに到り前者をFGFR1(flg型),後者をFGFR2(bek型)と総称するようになった。
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