Japanese
English
特集 ミトコンドリア
ミトコンドリア脂肪酸酸化系酵素欠損症
Deficiencies of mitochondrial fatty acid oxidation enzymes
惣宇利 正善
1
,
上條 岳彦
2
,
深尾 敏幸
3
,
橋本 隆
1
Masayoshi Souri
1
,
Takehiko Kamijo
2
,
Toshiyuki Fukao
3
,
Takashi Hashimoto
1
1信州大学医学部生化学教室
2信州大学医学部小児科学教室
3岐阜大学医学部小児科学教室
pp.668-672
発行日 1994年12月15日
Published Date 1994/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900863
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ミトコンドリア脂肪酸酸化系は主要なエネルギー産生系であることから,この系の生理的,病態的役割,系を構成する諸酵素については古くから研究されてきた。しかし,この系の酵素欠損症の研究は1980年代になって始まった。これは尿中有機酸分析技術の発展によって欠損酵素の推定が容易になったことによる。
教科書に記述されているように,脂肪酸はミトコンドリア外膜にある活性化酵素によってアシル-CoAになる。このアシル-CoAは外膜にあるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼⅠによってアシルカルニチンとなり,輸送系によって内膜を通過し,内膜にあるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼⅡによって再びアシル-CoAになる。β-酸化サイクルはマトリックスに存在し,短鎖,中鎖,長鎖の3種類のアシル-CoAデヒドロゲナーゼ,エノイル-CoAヒドラターゼ,3-ヒドロキシアシル-CoAデヒドロゲナーゼおよび3-ケトアシル-CoAチオラーゼから構成されている。
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