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特集 大脳皮質発達の化学的側面
マカク属サルの個体発生と大脳皮質内神経ペプチドの分布
Neuropeptides in cerebral cortex of macaque monkey, regional distribution and ontogeny
大島 清
1
Kiyoshi Oshima
1
1愛知工業大学教養部
pp.92-97
発行日 1992年4月15日
Published Date 1992/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900322
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脊椎動物の中枢神経系は原始外胚葉から発生する。原始外胚葉から神経枝が誘導され,そこで神経管と神経冠細胞が増殖する。後者の神経冠細胞は,背髄神経節細胞や,交感,副交感神経節細胞などの末梢神経系以外に,シュワン細胞,副腎髄質クロマフィン細胞,色素細胞,頭部の真皮,軟膜,鰓弓の骨や筋肉などをつくる起源となる。
神経冠由来神経細胞の発生,分化,生存に関わる神経ペプチドとしては,ラット,ニワトリを用いた実験によって多数の報告が行われている1-7)。それらの実験で興味を引くのは,一つには,発生初期の神経冠細胞が,移動して行く周囲の環境によって,その表現型を変えることである8-10)。たとえば,ニワトリの脊髄神経節細胞を神経節内非神経細胞とともに培養すると,P物質量に変化はないが,ソマトスタチン量が50倍も増える11)。ソマトスタチンを誘導させるような因子の存在が考えられる。
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