Japanese
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特集 医学における霊長類の研究
マカカ属サルの血液成分多型について
On the blood macromolecular polymorphisms in macaques
石本 剛一
1
Goichi Ishimoto
1
1三重県立大学医学部法医学教室
1Department of Legal Medicine, Mie Prefectural University school of Medicine
pp.556-558
発行日 1970年11月30日
Published Date 1970/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431904651
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われわれは主としてmacaca属サルの血液成分の遺伝変異について調査しているので実際の霊長類の遺伝的多型の様相に関して最近の仕事からえられる1,2の観点について述べたい。近年ヒトの遺伝生化学上の進歩は血液中のさまざまなタンパクに多型が存在することを見出しているが,ヒトに見られるいろいろの多型性形質をサル―検査試料にある程度の例数を必要とするので入手しやすいmacacaが中心となる―について調べるとその多くに同じように種内変異が存在することが観察される。macaca属サルに限つても現在までにhuman typeのABO,Lewis血液型,血清成分でprealbumin,albumin,α1-antitrypsin,transferrin,immunoglobulin(Gm),alkaline phosphataseさらにhemoglobinや赤血球酵素のacid phosphatase,phosphoglucomutase,6-phosphogluconane dehydrogenase,phosphohexoseisomerase,carbonic anhydraseなどに少くとも一種以上のサルが集団内でいくつかの異なる表現型をもつことが示されている。
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