Japanese
English
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅲ.代謝的に作用する薬物
酵素活性に影響する薬物
ホスホポジエステラーゼ
Phosphodiesterase
宮本 英七
1
Eishichi Miyamoto
1
1熊本大学医学部第一薬理学教室
pp.477-479
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900263
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
「概説」
cyclic nucleotide phosphodiesterase(PDE)は,cAMP発見間もない,今から30年前に見出された。PDEは,cAMP,cGMPの分解酵素として,細胞機能に重要な役割を演じている。合成酵素であるアデニル酸シクラーゼ,グアニル酸シクラーゼの作用によって,増加したcAMP,cGMPの組織での蓄積を起こし,その作用を増強し,持続させる。その後の研究の進展により,5種のアイソエンザイムが確認されている1)(表1)。それぞれの酵素は,さらにサブクラスがあり,組織分布が異なっている。
Ⅰ型(Ca2+-CaM-dependent PDE)はcAMP,cGMPを加水分解する。サブユニットの分子サイズが,脳,肺,平滑筋などで異なっている。Ca2+/CaMによって活性化される酵素である。Ⅱ型(cGMP-stimulated PDE)は,cAMP分解に対してcGMPが刺激効果を持ち,cAMP,cGMPの両方を分解する。Ⅲ型(cGMP-inhibited PDE)は,cAMP,cGMPの両方を分解し,cAMPの分解はcGMPによって阻害される。Ⅳ型(cAMP-specific PDE)は,cAMPを選択的に基質として利用する。
Copyright © 1991, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.