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特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅰ.レセプターに作用する薬物
セロトニン受容体
Serotonin receptors
西尾 廣昭
1
,
仲田 義啓
1
,
瀬川 富朗
2
Hiroaki Nishio
1
,
Yoshihiro Nakata
1
,
Tomio Segawa
2
1広島大学医学部薬効解析学
2敦賀女子短期大学
pp.403-407
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900234
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「概説」
1979年の終わりの,少なくとも1種類以上の中枢セロトニン(5-HT)結合部位が存在するという発見1)を契機に,この伝達物質についての研究は一挙に加速した。そして,結合部位選択的リガンドの同定の試み,これらの新しい試薬を用いて新たに発見された5-HT1および5-HT2部位の機能的意義を記述する試みへと引き続いた。それ以来,数種の5-HT結合部位のグループが報告されている。すなわち,5-HT1,5-HT2,5-HT3およびもっとも最近には5-HT4受容体が報告されている。5-HT1部位は以下のようにサブグループに分けられている。5-HT1A,5-HT1B,5-HT1C,5-HT1Dおよび5-HT1Eである。これらのうち,5-HT1E2)や5-HT43)部位のようなものは新しすぎて総説のレベルではまだ十分には論議されていない。
5-HT1および5-HT2結合部位が最初に特徴づけられた後に,それらの機能的関連性についての示唆があったが,新しい結合部位グループが引き続いて発見されたこと,とくに5-HT1結合部位の複数のグループの発見は,これらの部位の正確な役割を決定することを困難にしている。混乱をより大きくしているのは,選択性ということが研究上の一時的な現象に過ぎなかったという知見である。
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