Japanese
English
特集 神経系に作用する薬物マニュアル
Ⅰ.レセプターに作用する薬物
タキキニン受容体
Tachykinin receptor
鈴木 秀典
1
,
大塚 正徳
1
Hidenori Suzuki
1
,
Masanori Otsuka
1
1東京医科歯科大学医学部薬理学教室
pp.399-402
発行日 1991年10月15日
Published Date 1991/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425900233
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
「概説」
1.タキキニン受容体
タキキニン受容体は現在NK1,NK2,NK3型の3種に分類され,内因性ペプチドであるsubstance P(SP),neurokinin A(NKA),neurokinin B(NKB)がそれぞれに対し高い親和性を持つ(表1)。近年,中西らのグループは,電気生理学を組み合わせた遺伝子クローニングの手法を用いて,これら3種の受容体の一次構造をすべて明らかにした1-3)。これによるとタキキニン受容体は7個の膜貫通領域を持ち,細胞外にあるN末側に糖付着部位,細胞内にあるC末側にリン酸結合部位となりうる多くのセリン,スレオニンを含んでいる。すなわちG蛋白共役型受容体ファミリーに属することがわかった。三つの受容体の間の相同性は高く,とくに膜貫通領域および膜近旁の細胞内部分がよく保存されている(54~66%)(図1)。
アフリカツメガエル卵母細胞に発現させたタキキニン受容体に対する内因性タキキニンのEC50を表1に示す。同様の効力順位がそれぞれの受容体を発現させた培養細胞を用いたリガンド結合試験でも得られている4)。
Copyright © 1991, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.