特集 受容体1997
Ⅱ.Gタンパク質共役型受容体
1.神経伝達物質・ホルモン
1)アミン・アミノ酸
セロトニン受容体
吉岡 充弘
1
Mitsuhiro Yoshioka
1
1北海道大学医学部薬理学第一講座
pp.381-385
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901227
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セロトニン(5-HT)受容体の分類については,国際薬理学会および国際セロトニンクラブの受容体用語委員会が提唱している分類に従うと,現在のところ7種類のグループに分類され,総計14種類にのぼる。この分類は従来の薬理学的な結合実験の特異性に加えて,分子構造(アミノ酸配列の相同性)や細胞内情報伝達様式にその比重を置く。
[ファミリー・サブタイプ]G蛋白共役型の5-HT受容体には5種類のファミリーが含まれる。アデニル酸シクラーゼを抑制するG蛋白(Gi/o)に共役している5-HT1受容体,ホスホリパーゼCを活性化するG蛋白(Gq)に共役し,イノシトールリン脂質の代謝回転充進を引き起こす5-HT2受容体アデニル酸シクラーゼを活性化するG蛋白(G8)に共役している5-HT4,5-HT6,5-HT7受容体が含まれる。これらに加えて5-HT5受容体がクローン化され,受容体の発現に成功しているが,G蛋白共役型であるかどうか不明であり,生体内での分布や機能に関する詳細な報告はまだない。
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