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あとがき
岡本 仁
pp.92
発行日 2021年2月15日
Published Date 2021/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425201318
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本誌『生体の科学』の生みの親である伊藤正男先生が逝去されてから2年になる。それから遡ること半世紀の1967年に伊藤先生は,John Eccles,János Szentágothaiと共著で,“The Cerebellum as a Neuronal Machine(神経機械としての小脳)”を出版され,小脳の神経回路が高度に秩序立っており,計算機としての機能を持っているに違いないと唱えられた。その後,実験的生理学と計算論を総動員した脳科学を実践する道を歩まれ,世界の研究者を先導された。本特集号では,狩野先生と喜多村先生のご尽力によって,伊藤先生の蒔かれた小脳研究の種が,その後多様性に富む豊かな森へと発展した様を,新進気鋭の研究者として世界中の第一線で活躍されている方々を執筆者にお招きすることによって,お伝えできた。更に「仮説と戦略」では,最近急速に発展している中枢性の老化・寿命制御機序の研究の現状を,佐藤先生が極めて簡潔・明瞭にまとめてくださり,今後の研究への指針を示していただいた。執筆者の諸先生方には深く感謝いたします。
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