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あとがき
岡本 仁
pp.376
発行日 2013年8月15日
Published Date 2013/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101473
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脳が,その場その場の状況に応じて行動プログラムを正しく選択し,意思決定を行えることは,われわれが日常生活を営むうえで不可欠です。この行動プログラムの選択をうまく行えない人は,いわゆる“空気が読めない”人とみなされてしまいます。更には,強迫神経症や統合失調症,自閉症などの精神疾患でみられる固執,妄執,繰り返しなどの異常行動も,行動選択と意思決定の脳回路の異常作動と深くかかわると推定できます。
現代の脳科学は,このような神経回路の作動の正常と異常の仕組みの解明に迫れる段階まで達してきました。このことは心の解明への第一歩と言えるでしょう。執筆陣の先生方に深く感謝すると共に,諸先生方の熱意が読者に伝わることを願っています。また,連載講座・細胞増殖とGタンパク質共役受容体の進化に関する解説で,力のこもった解説を執筆していただきました,吉留・古屋の両先生と柳川・七田の両先生に深く感謝いたします。
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