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あとがき
岡本 仁
pp.98
発行日 2014年2月15日
Published Date 2014/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101585
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ゲノム科学の進展は精神疾患研究に革命をもたらした。GWASやCNVと言った略語は,もはや精神疾患研究では欠かせないものとなっている。このように,遺伝的素因の解明が急速に進展する一方で,精神疾患の発症のもう一つ原因である環境的要因に関しても,新しい進展が開けようとしている。本特集では,炎症や栄養やストレスがどのようにかかわっているのか,新しい視点から解説をお願いすることができた。更に,環境とゲノムが交差するエピジェネティクスに関しても,論じていただくことができた。これらの要因は,最終的には,脳の神経回路やシナプスの病変として反映されるはずであり,これに関しても,総説をお願いすることができた。最後に,他の精神疾患と比べて歴史的にも一歩先んじているアルツハイマー病研究の最前線を紹介していただき,治療が視野に入ってきている現状を紹介していただいた。これらを通じて,現在の躍動する精神・神経疾患研究の状況を眺望できる,新年号に相応しい夢のある特集号になったのではないかと思っている。更に,本号では,miRNAとバゾヒビンファミリーに関して,熱のこもった総説をいただけた。執筆いただいた諸先生方と,特集号編纂に当たって共同の労を取っていただいた吉川先生に深い感謝と敬意を表します。
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