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あとがき
岡本 仁
pp.78
発行日 2019年2月15日
Published Date 2019/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200955
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与えられた環境に応じてその中の神経回路を自在に変化させられることが,脳の最も重要な機能だといえます。したがって神経回路の可塑性機構の解明は,脳科学の常に中心課題でした。本号での榎本先生の編集による特集では,このような神経回路の改変(スクラップアンドビルド)が,シナプスにおける受容体の修飾や構成変化による長期増強や抑圧などだけでなく,神経細胞以外のグリア細胞などによる貪食作用など,様々な要素を巻き込んで引き起こされることが明らかになりました。このような神経系の異常は,精神疾患の発症の原因と深く関わっていると考えられてきています。今後の研究のますますの発展が期待されます。
特集の編集にあたられた榎本先生をはじめ,執筆を担当された諸先生方,さらに大変興味深い解説記事をご執筆いただいた川村先生と近藤先生に深く感謝いたします。
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