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特集 宇宙の極限環境から生命体の可塑性をさぐる
Ⅰ.重力変動の生理機能への影響
ゼブラフィッシュの宇宙環境への適応─イントロダクションに代えて
Adaptation of zebrafish to space environment
佐藤 文規
1
,
Choi Minyong
1
,
瀬原 淳子
1
Sato Fuminori
1
,
Choi Minyong
1
,
Sehara-Fujisawa Atsuko
1
1京都大学ウイルス・再生医科学研究所再生増殖制御学
キーワード:
宇宙滞在
,
ゼブラフィッシュ
,
骨格筋
Keyword:
宇宙滞在
,
ゼブラフィッシュ
,
骨格筋
pp.97-101
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200767
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本特集の狙い
かつて「2001年宇宙の旅」(“A Space Odyssey”, 1968)でStanley Kubrick監督が描いたような未来が,今,着々と実現されようとしている。国際宇宙ステーション(以下,ISS)における長期宇宙滞在を実現した人類は,火星への有人惑星探査など,更なる課題に挑戦しようとしているのである。
地球上に棲むわれわれが宇宙に魅せられるのは,未知なる世界への探求と共に,広い宇宙から地球を俯瞰してみたい,という憧れがあるからであろう。本特集で取り上げるのは,まさにそのような憧れを持つ筆者らが,宇宙という非日常的な極限空間が生体にもたらす影響を解明し,長期宇宙滞在に向けて克服すべき生物学的課題の解決を目指すと共に,そのような極限状態に対する生体応答から初めて解き明かされるであろう,生命を育む地球環境の秘密を探ろうとする研究である。無重力,閉鎖環境,宇宙放射線など,宇宙での長期滞在がもたらす様々な極限的ストレスに対する生命の可塑性とその破綻を統合的に理解し,その限界の克服に挑戦する研究の,難しさや楽しさをお伝えできれば,と思う。
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