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あとがき
栗原 裕基
pp.602
発行日 2017年12月15日
Published Date 2017/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200740
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19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍した米国の建築家ルイス・サリヴァンは,建築の理念を「Form ever follows function.(形態は常に機能に従う)」と表現し,このフレーズはその後の近代建築学のスローガンとなりました。極めて合目的的で美しい心臓の形態をみるとき,それはあたかも神様がこの言葉通りに創りだした賜物ではないかと思えてなりません。そして,本特集で,進化と発生からみた心臓の造形美,再生による機能と形態の再建,そしてモデルの創生による機能と形態の統合といった世界が展開されていくのを眺めていくと,生命科学と建築学が案外と近いように思えてきます。既成の学問領域を越えた融合が進んでいる今日,「生命建築学」なる分野がここから生まれると面白いなどと妄想が広がります。
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