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あとがき
栗原 裕基
pp.278
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200452
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今回は古くて新しいテーマ「脂質」に焦点を当て,本領域を牽引されている順天堂大学の横溝岳彦先生にゲストエディターをお願いして,最先端で活躍されている先生方を著者として特集を組んでいただきました。脂質研究は医化学の大きな柱の一つとして,医学・生命科学において古くから中心的役割を担ってきましたが,分子生物学,遺伝子工学が隆盛期を迎えてからは,脂質研究は遺伝子,タンパク質研究に押され気味の感がありました。しかし,今世紀に入ってゲノム,さらにはエピゲノム研究が圧倒的な勢いで進んできた一方で,いまだに十分掘り起こされていない最後の宝庫となり,時代の風は今脂質の方向へと吹いているように思えます。そして,我々が思い描く「脂肪」のイメージを遙かに超えて,さまざまな分野にまたがる魅力溢れる世界~脂質ワールド~が開けつつあります。本特集には,そうした未知の世界に足を踏み入れる冒険がすでに始まっているある種のときめきが感じられます。
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