増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅵ.精神・神経疾患
2.統合失調症
統合失調症と毛根細胞の遺伝子発現
前川 素子
1
,
和田 唯奈
1,2
Maekawa Motoko
1
,
Wada Yuina
1,2
1理化学研究所脳科学総合研究センター分子精神科学研究チーム
2お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科ライフサイエンス専攻
キーワード:
毛根細胞
,
外胚葉
,
統合失調症
,
FABP4
,
脂肪酸結合タンパク質
Keyword:
毛根細胞
,
外胚葉
,
統合失調症
,
FABP4
,
脂肪酸結合タンパク質
pp.486-487
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200530
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統合失調症の診断を補助,あるいは疾患を層別化するバイオマーカーを探索する試料として,脳と同じ外胚葉由来の組織であり,また,代謝的に安定していると考えられる“頭皮の毛根細胞”に着目し解析した。その結果,脳特異的と想定されていた遺伝子の多くが毛根でも発現していること,統合失調症ではFABP4遺伝子の発現量が約40%低下していること,FABP4の発現量の低下は年齢,性別,服薬,疾患罹患期間に影響されないことがわかった。毛根におけるFABP4遺伝子は統合失調症のバイオマーカーとして期待される。
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