増大特集 病態バイオマーカーの“いま”
Ⅵ.精神・神経疾患
2.統合失調症
統合失調症におけるカルボニルストレス
宮下 光弘
1,2
,
堀内 泰江
1
,
新井 誠
1,2
,
糸川 昌成
1,2,3
Miyashita Mitsuhiro
1,2
,
Horiuchi Yasue
1
,
Arai Makoto
1,2
,
Itokawa Masanari
1,2,3
1東京都医学総合研究所統合失調症プロジェクト
2都立松沢病院精神科
3東京都医学総合研究所病院等連携研究センター
キーワード:
統合失調症
,
ペントシジン
,
ビタミンB6
,
ピリドキサール・ピリドキサミン
,
グリオキサラーゼ1
,
カルボニル化合物
Keyword:
統合失調症
,
ペントシジン
,
ビタミンB6
,
ピリドキサール・ピリドキサミン
,
グリオキサラーゼ1
,
カルボニル化合物
pp.484-485
発行日 2016年10月15日
Published Date 2016/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200529
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精神障害には,脳に生物学的原因がある病気と呼べるものと,脳に原因がなく病気と呼べないものが混在する。横断面の症候学からは,両者を鑑別することはできない。生物学的原因にはバイオマーカーの関連が想定できるため,マーカーを用いれば病気と病気でないものを鑑別できると期待されている。統合失調症の一部に,カルボニルストレスの関連が示唆されている。カルボニルストレスを示す症例から,カルボニル化合物の解毒酵素に遺伝的機能低下が同定されたことから,カルボニルストレスが病態である可能性が示唆されている。カルボニルストレスを示す血中ペントシジンの高値と,カルボニルストレスで消費が亢進するビタミンB6の低値がサロゲートマーカーとして期待される。
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