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特集 グリア研究の最先端
A.グリア機能の基礎研究
高感度Ca2+指示タンパク質を用いた生体内アストロサイト活動の可視化解析
Novel imaging method for visualization of astrocytic activities in intact animals using an ultrasensitive Ca2+ indicator
金丸 和典
1
,
飯野 正光
1
Kanemaru Kazunori
1
,
Iino Masamitsu
1
1東京大学大学院医学系研究科細胞分子薬理学教室
キーワード:
astrocyte
,
in vivo imaging
,
calcium signal
,
glia
Keyword:
astrocyte
,
in vivo imaging
,
calcium signal
,
glia
pp.546-550
発行日 2015年12月15日
Published Date 2015/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200347
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グリア細胞の一種であるアストロサイトは,他の細胞間の隙間を埋めるように,あるいはシナプスや血管を取り巻くように無数の微細突起を伸ばし,あらゆる脳細胞に接触している。この形態的特徴の意義を裏付けるように,シナプス伝達および脳血流の調節などの重要な生理機能にアストロサイトが貢献することが,近年多くの研究により示唆され,神経科学分野で大きな注目を集めている。アストロサイトの活動性は,アストロサイトで頻繁にみられる細胞内カルシウム濃度上昇(Ca2+シグナル)でモニターすることができ,その可視化技法(Ca2+イメージング)による研究が進められてきた。小分子化合物のCa2+指示薬をアストロサイトに導入して行う従来のCa2+イメージング法では,アストロサイトの細胞体におけるCa2+シグナル観察が主であり,微細突起における観察は困難であった。これを解決すべく,筆者らは高感度Ca2+指示タンパク質をアストロサイト特異的に高発現する遺伝子改変マウスを作製し,微細突起を含めたアストロサイト全体を高い時空間解像度でイメージングする手法を確立した1)。本稿は,その手法とこれにより解明された知見を中心に紹介する。
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