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特集 エピジェネティクスの今
ヒストン制御とエピジェネティクス
Epigenetic regulation via histone variant and modification
羽田 政司
1
,
岡田 由紀
2
Hada Masashi
1
,
Okada Yuki
2
1東京大学大学院農学生命科学研究科 応用生命工学専攻
2東京大学分子細胞生物学研究所 病態発生制御研究分野
pp.535-540
発行日 2014年12月15日
Published Date 2014/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425200075
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ヒトのゲノムは約3億塩基対のDNAから構成されており,全長2mにも達する。この膨大なゲノムをわずか数μmの核に収納しているのがヒストンタンパク質である。DNAとヒストンから構成される構造はヌクレオソームと呼ばれ,4種類のヒストンサブユニット(H2A,H2B,H3,H4)から成るヘテロ八量体に,146塩基対のDNAが巻き付いた構造をしている(図1)。このヌクレオソームを最小単位として,更なる高次構造をとったものがクロマチンである。
クロマチン構造はゲノム収納のためだけでなく,遺伝子発現制御に重要な役割を果たすことが近年わかってきた。このクロマチン構造を介した遺伝子発現の制御機構は“エピジェネティクス”と呼ばれ(エピは“上”“外”“追加”という意味の接頭語。ここでは遺伝学/遺伝子を取り巻くクロマチンによる制御機構と解釈される),遺伝子を“いつ”“どこで”“どの程度”発現させるかを規定している。
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