今月の主題 抗核抗体
技術解説
抗ヒストン抗体の検査
西間木 友衛
1
,
粕川 禮司
1
Tomoe NISHIMAKI
1
,
Reiji KASUKAWA
1
1福島県立医科大学第2内科
pp.706-709
発行日 1986年7月15日
Published Date 1986/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542913002
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抗ヒストン抗体は自然発症SLEをはじめとするリウマチ性疾患に高頻度,高力価に検出されるが,特にプロカインアミドやヒドララジンなどの薬剤誘発ループス患者に検出されるのが特徴的である.検出方法としては,蛍光抗体法やELISAが使われており,特にELISAは感度が高く,簡便な方法として今後広く用いられる方法と考えられる.従来,自然発症SLEと薬剤誘発ループスの間にヒストン亜成分に対する抗体親和性に差異が認められるとの成績が多かったが,現在では両者間に抗体価や亜成分に対する親和性に差がみられないとする成績が有力である.
特に,薬剤誘発ループス患者は,ヒストンに限定された抗核抗体のみが検出され,他の核成分に対する抗体は検出されないということから,抗ヒストン抗体の産生機序の解明は,自然発症SLEにおける自己抗体の産生機序の解明にもつながるものであり,今後の成果が期待される.
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