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実験講座
1細胞レベルの網羅的分子解析―メタボロミクス
Exhaustive molecular analysis of a single live cell;metabolomics
藤田 愛
1
,
江崎 剛史
1
,
伊達 沙智子
1
,
水野 初
1
,
升島 努
1
Fujita Ai
1
,
Esaki Tsuyoshi
1
,
Date Sachiko
1
,
Mizuno Hajime
1
,
Masujima Tsutomu
1
1理化学研究所 生命システム研究センター 一細胞質量分析研究チーム
pp.271-277
発行日 2014年6月15日
Published Date 2014/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101622
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生命を構成する最小単位である細胞を理解することは,生命現象を解明する出発点であるが,一般的な生物の研究においては,組織片や培養細胞など多くの細胞集団をホモジェナイズした後,溶媒抽出などの前処理を経たものをサンプルとして用いるため,得られる結果は試料として用いた細胞集団による平均的なものである。しかし顕微鏡下で細胞を観察していると,個々の細胞が様々な大きさや形を持ち,それぞれが独立して変化していることがしばしば観察される1)。細胞に刺激を与えたときに見られる反応も,一見均一に見受けられる培養細胞であっても,細胞による相違が観察できることがある1)。
もし,ある細胞がある現象を発現した瞬間の細胞内の分子群の動態を,生きた細胞個々の状態変化を観察するのと同時に分析することができれば,細胞集団をすり潰した全体の分析では得ることが難しい細胞内での分子の必然的な変動を知ることができると考えた1)。
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