増大特集 細胞表面受容体
●構造的特徴:2回膜貫通型◆受容体の遺伝子:P2X4
ATP受容体P2X4と神経障害性疼痛
井上 和秀
1
Inoue Kazuhide
1
1九州大学大学院 薬学研究院 薬理学分野
pp.444-445
発行日 2013年10月15日
Published Date 2013/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101507
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ATPは細胞内でリン酸化基質として細胞機能を維持する一方,細胞外ではUTP,UDPなどの他のヌクレオチドと共に各種ATP受容体を介して細胞間情報伝達物質として機能する。ATP受容体はイオンチャネル型受容体(P2X)とGタンパク質共役型受容体(P2Y)に大別される。現在,サブタイプはそれぞれ7種類(P2X1-P2X7)および8種類(P2Y1,2,4,6,11~14)が報告されている。P2X受容体サブタイプは細胞膜2回貫通型分子(約400-600アミノ酸残基)であり,3分子がホモあるいはヘテロに会合して,非選択的カチオンチャネルを形成する。モルヒネも効きがたい難治性疼痛の代表である神経障害性疼痛は“人類史上最悪の痛み”と言われているが,その発症メカニズムとして脊髄後角の活性化型ミクログリアに発現するP2X4受容体の役割が注目されている。
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