特集 受容体1997
Ⅰ.イオノトロピック受容体
1.陽イオンチャネル内蔵型
ATP受容体
井上 和秀
1
Kazuhide Inoue
1
1国立医薬品食品衛生研究所薬理部
pp.339-341
発行日 1997年10月15日
Published Date 1997/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901216
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'78年Burnstockは,プリンヌクレオシド,ヌクレオチド類に感受性を示す受容体群を,アデノシンに強い親和性を示すP1とATP親和性のP2に分けた。以来,'90年頃までの総説ではP1(adenosine)およびP2(ATP)purinoceptorsと並記されてきた。その後,アデノシン受容体研究の発展に伴い,P1という呼び方は徐々にすたれていった。事実,'94年の総説ではAdenosine(P1)receptors,'95年版の国際薬理学会プリン受容体分類小委員会の分類表(IUPHARの分類表)ではAdenosine receptorsとなり,現在に至っている。一方,'85年,P2XとP2Yに区分されたP2 purinoceptorsサブタイプは,その後続々と追加され,'94年頃にはイオンチャネル型はP2X,P2Z,P2T,Gタンパク共役型はP2D,P2U,P2Yとなった。特異的なブロッカーがないため,これらは実験標本での作用強度順位から分類されたが,この分類法には問題が多く,混乱を招いた1)。この頃までの論文には,機能的にはイオンチャネル内蔵型をP2Yと呼んでいる例もある。混乱の中,'95年,cDNAクローニングとその発現系による新分類法がBurnstockらにより提案された2)。
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