特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
6.ファゴソーム
オートファジーによるペルオキシソームの選択的分解と生理機能
奥 公秀
1
,
阪井 康能
1
Masahide Oku
1
,
Yasuyoshi Sakai
1
1京都大学大学院 農学研究科 応用生命科学専攻
pp.500-501
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101370
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ペルオキシソームの発達・分解サイクルは細胞の代謝活動の変化と密接に関連する。というのも本オルガネラ内酵素の多くが代謝変化に伴いその発現量を増減させるため,酵素反応の場となるオルガネラ自身の量も増減するからである。ペルオキシソームの持つこの大きなダイナミックレンジは種を越えて保存されており,その分子メカニズムの解析に関しては,ペルオキシソーム合成・分解制御の容易さから,メタノールを炭素源として生育できるメタノール資化性酵母を対象とする研究が哺乳類細胞を用いた研究などと並行して進められてきた。本稿では,メタノール資化性酵母や植物病原性菌において明らかとなってきたペルオキシソーム選択的オートファジー(ペキソファジー)の分子機構や生理学的意義を,哺乳類細胞研究で得られた知見と照らし合わせて紹介したい。
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