特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
6.ファゴソーム
オートファゴソーム形成に必須なAtg12-5/16L1複合体とその役割
伊藤 敬
1
,
福田 光則
1
Takashi Itoh
1
,
Mitsunori Fukuda
1
1東北大学大学院 生命科学研究科 膜輸送機構解析分野
pp.488-489
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101364
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オートファジーはオートファゴソームの形成・成熟によって細胞内の物質をリソソームに輸送し,分解する細胞内分解系であり,様々な要因によって誘導される。オートファゴソーム形成に必須な因子群(Atgタンパク質群)は酵母遺伝学を用いて同定されたが,真核生物にもよく保存されている。現在,Atgタンパク質群は機能的に次の六つに分類されている。① ULK1-FIP200-Atg101-Atg13複合体,② Atg9,③ ホスファチジルイノシトール(PI)3キナーゼ複合体,④ Atg2-Atg18複合体,⑤ Atg12-5/16L1複合体,⑥ ユビキチン様タンパク質であるAtg12,LC3の修飾反応系である1)。本稿では哺乳動物におけるAtg12-5/16L1複合体の機能に焦点を当て,最近明らかになった知見を交えて概説する。
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