特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
6.ファゴソーム
アクチン結合性タンパク質Coronin-1aによる結核菌ファゴソームへのオートファゴソーム形成阻害機構
瀬戸 真太郎
1
,
辻村 邦夫
1
,
堀井 俊伸
1
,
小出 幸夫
1
Shintaro Seto
1
,
Kunio Tujimura
1
,
Toshinobu Horii
1
,
Yukio Koide
1
1浜松医科大学 感染症学講座
pp.494-495
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101367
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●Coroninファミリー遺伝子とCoronin-1aの構造
Coronin-1aはCoroninファミリー遺伝子に属するアクチン結合性タンパク質である1)。Coroninファミリー遺伝子は酵母から哺乳類まで多くの真核生物に保存されている。Coroninは粘菌のアクチン/ミオシン複合体に結合するタンパク質として単離されて,粘菌細胞の王冠状突起に局在することからCoroninと命名された。Coroninはアクチンの枝分かれ構造に機能するArp2/3複合体と結合することによって,Arp2/3のアクチン繊維からの離脱を制御している。粘菌や酵母ではCoroninは1遺伝子しか存在しないが,ヒトやマウスでは7遺伝子存在する。
結晶構造解析2)などによってCoronin-1aの立体構造は明らかになっている。N末端側は7枚のβプロペラによって構成されている。これらのβプロペラは五つのWDリピートと,その後に続く二つのβシート構造から形成されている。C末端側はコイルドコイル構造によって構成されている。このコイルドコイル構造によってCoronin-1aは三量体を形成している。さらに,C末端側でアクチン繊維と結合する。
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