特集 細胞の分子構造と機能―核以外の細胞小器官
6.ファゴソーム
オートファゴソーム形成におけるホスファチジルイノシトール3-キナーゼの役割
小原 圭介
1
Keisuke Obara
1
1北海道大学大学院 薬学研究院 生化学研究室
pp.486-487
発行日 2012年10月15日
Published Date 2012/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101363
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●オートファジーとホスファチジルイノシトール3-キナーゼ
オートファジーの進行には脂質をリン酸化する反応が必須である。その反応とは,クラスⅢのホスファチジルイノシトール3-キナーゼ(PtdIns 3-kinase)であるVps34がホスファチジルイノシトールをリン酸化し,ホスファチジルイノシトール3-リン酸(PtdIns(3)P)を産生する反応である。出芽酵母のVPS34欠損株ではオートファジー活性が失われる。また,後述するPtdIns 3-kinase複合体のサブユニットをノックダウンやノックアウトした哺乳類細胞ではオートファジーが抑制される。つまり,オートファジーにおけるPtdIns 3-kianseの必要性は出芽酵母も哺乳類も同様である。
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