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特集 オートファジー
オートファゴソーム形成過程の微細形態学
Fine structure of autophagosome formation
横田 貞記
1
Sadaki Yokota
1
1山梨大学大学院医工学教育部生体制御学
pp.495-500
発行日 2003年12月15日
Published Date 2003/12/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100792
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真核細胞は飢餓環境を生き延びる戦略として自分自身の一部を分解系に取り込み栄養源とする方法,オートファジー(自食作用)を進化させてきた。酵母を用いた研究で自食作用に関わる遺伝子が分離され,またその哺乳動物ホモログもとられ,その機能が解明されつつある1)。一方,一過性に増殖させた細胞小器官の選択的な除去にも自食作用が関与することが示されている2,3)。後者は不要な細胞小器官を取り除くもので,飢餓に対するものとは別の細胞小器官の数や品質を管理する戦略のように思われる。自食作用はリソソームの微細形態学の研究から,その存在が記載され,二つの様式,ミクロオートファジーとマクロオートファジーに分類されている4)。ミクロオートファジーでは,リソソームが直接細胞質や分子を取り込み消化する。マクロオートファジーでは,分離膜が標的(細胞小器官や細胞質など)を囲い込み,オートファゴソーム(自食胞)を形成し,その後自食胞はリソソーム区画と融合して,取り込んだものを分解する。この小文では,自食胞形成過程の微細形態を線虫と哺乳動物細胞に焦点を絞って最近の知見を述べる。
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