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特集 リソソーム:最近の研究
ファゴソーム-リソソーム融合
Phagosome-Lysosome Fusion
矢野 郁也
1
Ikuya Yano
1
1大阪市立大学医学部細菌学教室
pp.92-104
発行日 1999年4月15日
Published Date 1999/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425901678
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全ての生物は,その生命を維持するために,外敵や異物の侵入に対する防御機構をもっており,高等な生物ほどその機構は多彩で複雑である。細胞や臓器は外部環境から外敵の侵入を避けるため,細胞壁(細胞膜)や皮膚・粘膜におおわれており,魚類以上の高等動物や植物には免疫反応に基づく防御機構が発達している(図1)。また,高等動物の免疫反応は,外敵に対して自己と他者を分子レベルで反応して見分けることのできる特異性の極めて高いものであり,その鑑別は長年の生物進化を反映して極めて多様性に富んでいる。本稿では,動物の最も基本的な生体防御機構である食作用の中で,異物処理に中心的な役割を果たしていると考えられるファゴソーム-リソソーム融合(P-L fusion)について,その概略と細菌細胞壁や動物細胞膜を構成する糖脂質分子による機能の調節について述べる。
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