Japanese
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解説
核内ステロイドレセプターを介した情報伝達の分子機構
Molecular mechanism of nuclear receptor-mediated signaling
加藤 茂明
1
Shigeaki Kato
1
1東京大学分子細胞生物学研究所
pp.61-66
発行日 2003年2月15日
Published Date 2003/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100725
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体内や食品に存在する低分子量脂溶性生理活性物質の中には,核内レセプターリガンドとして作用するものが数多く知られている。すなわち,ステロイド/甲状腺ホルモン,ビタミンA(レチノイド),ビタミンD群のエイコサノイド,さらにコレステロール代謝体などである1)。核内レセプターは,一つの原初遺伝子から分子進化した遺伝子スーパーファミリーを形成しており,いわゆるクラスⅡ遺伝子群の発現を制御するDNA結合性転写制御因子である。ヒトゲノム解読の結果,48種のレセプターが存在すると考えられている1)。そのためこれらレセプターリガンドの分子作用メカニズムは,核内レセプターを介した標的遺伝子発現制御にある。本稿では,すべての核内レセプターに共通した主機能である遺伝子制御機能を中心に,核内レセプター機能について概観したい。
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