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特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
筋ジストロフィーに対するリードスルー治療
Readthrough strategy for suppression of nonsense mutations in muscular dystrophy
塩塚 政孝
1
,
松田 良一
1
Masataka Shiozuka
1
,
Ryoichi Matsuda
1
1東京大学大学院 総合文化研究科
pp.134-137
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101126
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1. リードスルー治療とは
ナンセンス変異によるデュシェンヌ型筋ジストロフィー(Duchenne Muscular Dystrophy;DMD)では,ジストロフィン遺伝子エクソン内で点変異により一つの塩基が置換し,本来の翻訳終結部位より上流に未熟終止コドン(premature termination codon)が生じることで,機能的な全長ジストロフィンタンパク質が合成されずに遺伝子欠損症状を呈す。この未熟終止コドンを薬物により抑制し翻訳を進行させ,正常機能を有するタンパク質分子の発現を回復させることで症状の改善を目指す治療法がリードスルー療法である。ナンセンス変異症例はDMDでは本邦において19%を占め,2,400種を超えるナンセンス変異型遺伝性疾患の存在が明らかにされるとともに,それらの包括的化学療法としてもリードスルー治療は注目されている。
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