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特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
福山型筋ジストロフィー症の成因
Pathomechanism of Fukuyama congenital muscular dystrophy and related disorders
金川 基
1
,
戸田 達史
1
Motoi Kanagawa
1
,
Tatsushi Toda
1
1神戸大学大学院 医学研究科 神経内科学 分子脳科学
pp.91-94
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101116
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福山型先天性筋ジストロフィー(Fukuyama-type congenital muscular dystrophy;FCMD)は,1960年福山らにより発見された常染色体劣性遺伝疾患である。わが国の小児期筋ジストロフィー中ではデュシェンヌ型の次に多く,日本人の約90人に1人が保因者と計算される。日本に1,000~2,000人くらいの患者が存在すると推定され,日本人特有の疾患とされていたが,近年海外からの報告が相次いでいる。本症は重度の筋ジストロフィー病変とともに,多小脳回を基本とする高度の脳奇形(敷石(Ⅱ型)滑脳症)が共存し,さらに最近は近視,白内障,視神経低形成,網膜剝離などの眼症状も注目されている。すなわち,本症は遺伝子異常により骨格筋-眼-脳を中心に侵す一系統疾患である1)。本稿では,福山型の原因遺伝子,分子病態を中心に解説する。
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