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特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
α-ジストログリカンの機能異常と筋ジストロフィー
Defective function of alpha-dystroglycan and muscular dystrophy
斉藤 史明
1
,
松村 喜一郎
1
Fumiaki Saito
1
,
Kiichiro Matsumura
1
1帝京大学 医学部 神経内科
pp.88-90
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101115
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Dystrophin糖蛋白複合体は細胞外基底膜と細胞骨格を結合する細胞膜上の蛋白質複合体であり,ジストログリカン(dystroglycan;DG)はその中核をなす蛋白質である。この蛋白質複合体の構成蛋白質の欠損により,Duchenne型筋ジストロフィーをはじめとする多彩な筋ジストロフィーが発症することが知られる。近年,この蛋白質複合体の新たな崩壊機序が明らかにされ,注目を集めている。それは,一群の糖転移酵素と考えられる蛋白質をコードする遺伝子の変異によりα-DGの翻訳後修飾に異常が生じ,その結果α-DGの機能不全が生じ筋細胞の変性壊死が惹起されるというものである。本稿では,このα-DGの機能およびその異常により引き起こされる筋ジストロフィーの分子病態について解説する。
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