Japanese
English
特集 筋ジストロフィーの分子病態から治療へ
α-ジストログリカノパチーと糖鎖
α-dystroglycanopathy and glycosylation
遠藤 玉夫
1
Tamao Endo
1
1東京都健康長寿医療センター研究所 老化機構研究チーム
pp.83-87
発行日 2011年4月15日
Published Date 2011/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101114
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
α-ジストログリカノパチーは,α-ジストログリカン(α-DG)の糖鎖異常に起因する疾患群である。福山型先天性筋ジストロフィー(FCMD),muscle-eye-brain病(MEB),Walker-Warburg症候群(WWS),先天性筋ジストロフィー1C型(MDC1C)やその対立遺伝子疾患である肢帯型筋ジストロフィー2I型(LGMD2I),先天性筋ジストロフィー1D型(MDC1D)である(表)。α-DGの糖鎖が正常に付加されないために基底膜の異常が生じ,それが筋ジストロフィーや脳奇形の原因となると考えられる。遺伝的に異なるこれら疾患群に対して,共通の病態であるα-DGの糖鎖を標的とする治療法の開発が期待される。本稿では糖鎖の面からα-ジストログリカノパチーについて概説し,病態解明と治療法開発に向けた一助としたい。
Copyright © 2011, THE ICHIRO KANEHARA FOUNDATION. All rights reserved.