特集 シナプスをめぐるシグナリング
15.受容体トラフィッキング
シナフィン/コンプレキシンの神経伝達物質放出における役割
阿部 輝雄
1
,
得丸 博史
2
Teruo Abe
1
,
Hiroshi Tokumaru
2
1新潟大学 脳研究所 細胞神経生物学分野
2徳島文理大学 香川薬学部 薬理学講座
pp.530-531
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101074
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シナフィン/コンプレキシン(synaphin/complexin,以下Syp)は神経終末のサイトゾルタンパク質で,神経伝達物質放出を制御する。哺乳類では四つのアイソフォーム(1-4)が存在する。網膜に多い3と4(それぞれ158,160残基)は1,2との類似性が低く(アミノ酸配列一致<30%),C末端にプレニル化部位を持つ。1と2(134残基,配列87%一致)は脳に多いが分布は異なり,ノックアウトマウスの症状にも差がある。しかし,作用機構上の差異は見出されていない。本稿では特に研究の進んでいる1と2を中心に述べる。
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