特集 シナプスをめぐるシグナリング
15.受容体トラフィッキング
HPC-1/syntaxin1Aとsyntaxin1Bの機能分化
赤川 公朗
1
Kimio Akagawa
1
1杏林大学 医学部 細胞生理学
pp.528-529
発行日 2010年10月15日
Published Date 2010/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425101073
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細胞内小胞の輸送や開口放出を説明する機序としてSNARE仮説がよく知られている。SNARE分子の中でシナプス前膜にある因子として,HPC-1/syntaxin1A(sy1A)とsyntaxin1B(sy1B)がある。両者はアミノ酸配列,脳内局在も似通っており,シナプス小胞の開口放出過程の中でほぼ同じような働きをしながら並列に働く因子であると従来は考えられてきた。しかし最近,われわれが両者について遺伝子ノックアウトマウス(KO)を作製して,その神経系を詳細に比較検討した結果,sy1Aとsy1Bがシナプスにおいて異なる機能を担っているらしいことがわかってきた。これらのKOの神経系における表現系を説明しながら,sy1Aとsy1Bの機能について明らかとなってきた点を紹介する。
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