特集 伝達物質と受容体
4.ペプチド
腸ペプチド
腸ペプチドと神経管発達
蔡 明倫
1
,
浅川 明弘
1
,
乾 明夫
1
Minrun Sai
1
,
Akihiro Asakawa
1
,
Akio Inui
1
1鹿児島大学大学院医歯学総合研究科社会・行動医学講座
pp.482-483
発行日 2009年10月15日
Published Date 2009/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100929
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[用いられた物質/研究対象となった受容体]
ペプチドYY(PYY),膵ポリペプチド(PP),神経ペプチド(NPY13-36)/Y1,Y2,Y4受容体
先天異常の頻度は約3-5%とされ,中でも中枢神経系の異常は頻度が高い。神経管欠損(NTD)として総称される無脳症,二分脊椎症などの原因は極めて多様であるため,その病態は未だ詳細には解明されていない。
消化管ペプチドPYYは,1980年にTatemotoらによってブタの小腸より単離された食欲抑制ペプチドである。グレリンは1999年,Kangawaらによって成長ホルモン分泌促進因子受容体の内因性リガンドとして胃より見出された食欲促進ペプチドである。われわれはこれまでに消化管ペプチドとその受容体が神経管の発達に影響を及ぼすことをマウスの実験において報告している。本稿では神経管の形成について概説した上で,消化管ペプチドと神経管発達の関係について述べる。
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