連載 シリーズ 胎芽の発育と形態形成・2
胚盤の分化と神経管の形成
塩田 浩平
1,2
,
上部 千賀子
2
1京都大学医学研究科生体構造医学講座(形態形成機構学)
2京都大学医学部附属先天異常標本解析センター
pp.125-127
発行日 1996年2月10日
Published Date 1996/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409902405
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第3週後半から第4週にかけて胚盤embryonicdiscの分化が進む.胚盤は,はじめ外胚板(外胚葉ectoderm)と内胚板(内胚葉endoderm)の2層から成っているが,受精後15日頃,胚盤の尾方正中部に原始線条primitive streakが現われ,その正中線上の凹みである原始溝primitive grooveから深部へ落ち込んだ細胞は,外胚葉と内胚葉の間で,第三の胚葉である胚内中胚葉intraembryonic mesodermに分化する.
原始線条の頭方端はわずかに肥厚して,原始結節primitive node(ヘンゼン結節Hen—sen�s node)を作る.原始結節基部の凹み(原始窩primitive pit)からは,やはり外胚葉と内胚葉の間で,頭方へ向かって細胞が索状に伸びていく.これを脊索突起notochordalprocessとよぶ.原始線条から生じた中胚葉細胞は,増殖しながら外胚葉と内胚葉の間を頭方へ向かって拡がり,ここに3層性の胚盤ができる.脊索突起の両側の沿軸中胚葉parax—ial mesodermが分節状に凝集して体節somiteを形成する.
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