Japanese
English
論述
尺骨神経管症候群—病態,臨床像と手術成績
Pathogenesis, Clinical Features and Surgical Results of Ulnar Tunnel Syndrome
高畑 智嗣
1
,
荻野 利彦
1
,
三浪 明男
1
,
福田 公孝
1
Satoshi Takahata
1
1北海道大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Hokkaido University School of Medicine
キーワード:
尺骨神経管症候群
,
ulnar tunnel syndrome
,
絞扼神経障害
,
entrapment neuropathy
,
ガングリオン
,
ganglion
,
超音波検査
,
ultrasonography
Keyword:
尺骨神経管症候群
,
ulnar tunnel syndrome
,
絞扼神経障害
,
entrapment neuropathy
,
ガングリオン
,
ganglion
,
超音波検査
,
ultrasonography
pp.1329-1334
発行日 1988年11月25日
Published Date 1988/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907977
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:Guyon管における尺骨神経のentrapment neuropathyは,尺骨神経管症候群とよばれる.著者らが経験した8例の尺骨神経管症候群について,臨床像と手術時所見を分析し,診断および治療上の問題点を検討した.臨床症状は,尺骨神経の障害部位に応じて,様々な運動障害と知覚障害の組合せを示した.従来の分類には無い,小指外転筋のみが麻痺した1例を経験した.全例でGuyon管を開放し,6例で明瞭な神経圧迫所見を認め,そのうち4例はガングリオンが原因であった.超音波断層検査はガングリオンの発見に威力があるため,尺骨神経管症候群の補助的診断に有用である.明瞭な神経圧迫所見が無かった2例では神経剥離術のみを施行したが,術後の麻痺の回復状態は良好であった.障害部位がGuyon管と考えられる場合には,画像診断で腫瘤等の異常が認められなくとも,Guyon管を開放して内部の状態を確認すべきである.
Copyright © 1988, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.