特集 生命科学のNew Key Word
1.遺伝子/遺伝子発現/進化
ヒトにおけるヒドラ遺伝子
五條堀 孝
1
,
Shan Hwang Jung
1
,
田中 信彦
1
Takashi Gojobori
1
,
Hwang Jung Shan
1
,
Nobuhiko Tanaka
1
1国立遺伝学研究所生命情報・DDBJ研究センター
pp.388-389
発行日 2004年10月15日
Published Date 2004/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100576
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ヒドラ研究に対する革命
ヒドラは刺胞動物に属し,非常に単純な体制をもつ多細胞生物である(図1)。系統発生的には左右相称動物が出現する前の今からおよそ7億年前に分岐したと考えられている。ヒドラは強い再生力および単純な体制をもつことから,古くから発生のメカニズムを研究するために用いられてきた1)。最近,われわれは藤澤敏孝博士(国立遺伝学研究所)との共同研究において,ヒドラ(Hydra magnipapillata)のおよそ23,000のEST配列を決定した。また,カリフォルニア大学のHans Bodeらも全く同じヒドラの系統を用いて,現在までに56,000以上のEST配列を決定している。これら80,000以上のEST配列は,ヒドラにおける分子レベルの研究を新たな方向へと変えうる強力なデータセットになるだろう。
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