特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
7.疾病
気分障害(躁うつ病,うつ病)
光安 博志
1
,
後藤 玲央
1
,
川嵜 弘詔
1
,
神庭 重信
1
Hiroshi Mitsuyasu
1
,
Reo Gotoh
1
,
Hiroaki Kawasaki
1
,
Shigenobu Kanba
1
1九州大学大学院医学研究院精神病態医学
pp.478-479
発行日 2008年10月15日
Published Date 2008/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100566
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双極性障害(躁うつ病),大うつ病を含む気分障害は,統合失調症とともに代表的な精神障害とされてきた。クレペリンによって,気分の周期的変動を呈し,人格変化が認められない精神疾患として躁うつ病の概念がはじめて提唱され,躁うつ病の生涯有病率は1-4%前後と報告されている。発病に遺伝的素因が関与することは,疫学的,遺伝生物学的研究からも支持されている。環境因としての種々の状況因子,病前性格,精神的および身体的要因の複雑な関与も指摘されているが,病態メカニズムは依然として不明である。その発症機序については,多くの仮説が唱えられてきており,本稿ではそれらについて説明する。
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