特集 現代医学・生物学の仮説・学説2008
                        
                        
                
                  
                  
              
              
              
                  
                  
                  
                  
                            
                                    5.神経科学
                                    
                                    
                                    
                            
                            
                
                
                
                            
                            
                  
                            
                                
                            
                        
                
                
                
                            
                        
                
                
                            
                            
                            
                  
                            
                                    
                                    条件反射
                                    
                                    
                            
                            
                        
                
                
                            
                            
                                
                                    
                                        
                                            
                                                久我 奈穂子
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            ,
                                        
                                    
                                    
                                        
                                            
                                                池谷 裕二
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            
                                        
                                    
                                
                                
                                    
                                        
                                            
                                                Nahoko Kuga
                                            
                                            1
                                        
                                        
                                        
                                        
                                            ,
                                        
                                    
                                    
                                        
                                            
                                                Yuji Ikegaya
                                            
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                  1東京大学大学院薬学系研究科薬品作用学教室
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                
                            
                            
                        
                
                            
                            
                        
                
                pp.434-435
                
                
                
                  発行日 2008年10月15日
                  Published Date 2008/10/15
                
                
                
                DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100547
                
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肉片を見せられたイヌは唾液を分泌するが,これに先行してベルを聞かせると,やがてベルの刺激だけで唾液を出すようになる―「Pavlovの条件反射」はとりわけ人口に膾炙した生理現象の一つである。ある特定の応答反射(unconditioned response;UR)を無条件に引き起こすことができる刺激(unconditioned stimulus;US)に先行し,それ自体では生理的な反応を引き起こすことはないニュートラルな刺激(conditioned stimulus;CS)を与え,CS-USをペアとして繰り返し提示することで,CSを与えるだけでURに類似した条件応答(conditioned response;CR)が引き起こされるようになる。これを古典的条件付けといい,連合学習の基本的な形態である。
古典的条件付けの一つである瞬目反射条件付け(eyeblink conditioning)では,CSとして音や光,USとして角膜へのair puffや眼輪筋への電気刺激を用いる。初めはCSに無反応でUSを与えた時のみ𥇥を閉じる(瞬目する)が,CSとUSを時間的に近接させ繰り返し提示すると,CSの提示のみで条件反射(CR)として𥇥を閉じるようになる。学習にはUSに対するCSの先行が必須で,CSとUSの時間間隔が不適切な場合にも学習は困難となる。また,CSとUSの時間間隔を変えるとCR発現のタイミングも変化することから,被験動物(あるいは被験者)はCSとUSの因果関係と共に,時間間隔も学習しているといえる。
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