条件反射
脳波と条件反射
吉井 直三郎
1
,
松本 淳治
1
,
前野 重喜
1
,
長谷川 義治
1
,
山崎 秀一
1
,
下河内 稔
1
,
山口 雄三
1
,
淸野 茂博
1
,
堀 泰雄
1
1大阪大学医学部第二生理学教室
pp.356-370
発行日 1959年1月20日
Published Date 1959/1/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1431901679
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条件反射はPavlovによつてほゞ完成された如き印象を与えているのでありますが,大脳で生じている現象を,彼が如何に巧妙に説明しても,その仮説は末梢的に現われた唾液分泌を基礎としたものであり,また彼が条件反射は大脳皮質に生じる一時的結合でおこると考える根拠も,切除実験と云う余り生理的でない方法によつているのであります。それ故もつと生理的な方法で大脳に生じている現象を直接に観察しようとの考えで条件反射に脳波が用いられたのでありますが.その最初の論文が発表されたのは,惜しくもPavlovの没した前年(1935)であります。
以来20数年を経過しましたが,最初の頃の成績はPavlovの仮説から余り出ておりません。然し最近の10年間に脳波研究が一段の進歩をとげましたので,ここで漸くPavlovの考えから脱した新しい条件反射学の研究に進んでゆくようになつたのであります。いまその概括を示しますと,
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