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特集 アダプタータンパク
アダプタータンパク質JIPとアミロイド前駆体タンパク質
JNK-interacting proteins and amyloid precursor protein
多留 偉功
1
,
鈴木 利治
1
Hidenori Taru
1
,
Toshiharu Suzuki
1
1北海道大学大学院薬学研究科
pp.133-138
発行日 2004年4月15日
Published Date 2004/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100682
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Alzheimer病(AD)は進行性の神経変性疾患であり,その発病機構に関しては,βアミロイドタンパク質(Aβ)の凝集あるいは蓄積が重要であるという説(アミロイド仮説)が主流となっている1)。Aβは一回膜貫通型タンパク質であるアミロイド前駆体タンパク質(amyloid precursor protein;APP)の二段階のプロテアーゼ切断によって生じるが,現在,孤発性ADにおけるAβ蓄積の原因は不明であり,Aβ生成の制御機構に関する知見が求められている。また一方でAPPは,ファミリー分子であるamyloid precursor-like protein1,2(APLP1,APLP2)とともに生体に必須の役割を担っていることが知られ,その生理機能の解明も望まれている2)。APPの代謝制御や生理機能の解明の手掛かりとして期待されるのが,APPの結合分子の一つとして同定されたc-Jun N-terminal kinase-interacting protein(JIP)である。本稿では,まずJIPファミリーについて概観したのち,APPとの相互作用の生理的意義について議論する。
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