特集 タンパク・遺伝子からみた分子病―新しく解明されたメカニズム
12.細胞接着
Intercellular adhesion molecule-1(ICAM-1)
長谷川 剛二
1
Goji Hasegawa
1
1京都府立医科大学大学院医学研究科内分泌機能制御学
pp.500-501
発行日 2005年10月15日
Published Date 2005/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100484
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Intercellular adhesion molecule 1(ICAM-1),CD54は免疫グロブリンスーパーファミリーに属する接着分子である。コア蛋白質の分子量は55kDaであり,糖鎖付加の違いにより76~114kDaを示す糖蛋白質である。通常は単球および血管内皮細胞に発現しているが,IFN-γやTNFなどのサイトカイン刺激,酸化ストレス,虚血,血流によってもたらされるshear stressなどにより発現が増強され,T,Bリンパ球,胸腺細胞,樹状細胞,線維芽細胞,ケラチノサイト,軟骨細胞,上皮細胞,腎メサンギウム細胞など広範囲に発現が誘導される1)。
ICAM-1は炎症反応や免疫応答においてlymphocyte function-associated antigen 1(LFA-1)のおもなリガンドとして重要な役割を果たしている。すなわちICAM-1はT細胞-抗原提示細胞,T細胞-T細胞,T細胞-B細胞間の接着に関与する。この時のICAM-1を介した副刺激の共存がT細胞の活性化のために必須である。また,炎症反応やリンパ球ホーミング現象に先立つ白血球と血管内皮細胞の接着過程に関与する1)。
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