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特集 Naチャネル
Naxチャネルの脳内ナトリウム濃度センサーとしての生理機能
Nax sodium channel involved in CNS sodium-level sensing
檜山 武史
1
,
野田 昌晴
1
Takeshi Y Hiyama
1
,
Masaharu Noda
1
1自然科学研究機構基礎生物学研究所統合神経生物学研究部門
pp.199-205
発行日 2005年6月15日
Published Date 2005/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100386
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電位依存性ナトリウムチャネルの実体は,約20年前に野田らによるデンキウナギ発電器官およびラット脳からのcDNAクローニングと,その機能的発現によって明らかとなった1-3)。現在,哺乳類では10種から成る遺伝子ファミリーを形成することが確認されている。そのうち9種は細胞膜電位の変化を感知して開口する電位依存性チャネル(Nav)であったが,Naxだけは長くその働きが不明であった。われわれはNax遺伝子ノックアウトマウスを作製し,個体,組織,細胞の各レベルの解析を通して,Naxが脳室周囲器官に発現し,細胞外液のナトリウムイオン(Na+)レベルを感知して開く全く新しいタイプのチャネルであることを明らかにしてきた。また,個体レベルの研究から体液Na+レベル検出と塩分嗜好性制御にNax機構が関わっていることが次第に明らかとなってきた。本稿では,われわれのこれまでの研究成果を中心にNaxの生理機能について概説する。
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