特集 生物進化の分子マップ
11.酵素
P型ATPaseの分子進化
岡村 英幸
1
,
大庭 良介
2
,
竹安 邦夫
2
Hideaki Okamura
1
,
Ryosuke Ohniwa
2
,
Kunio Takeyasu
2
1大阪歯科大学
2京都大学大学院生命科学研究科
pp.413-415
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100288
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P型ATPaseは,能動輸送によっておもに細胞内外のイオン濃度環境のコントロールを旨とする膜輸送タンパク質である。最初の細胞が原始地球のいずこかの水中で,遺伝因子を外界環境から膜を用いて隔離・独立させることで生じた瞬間から,膜を隔てた外部環境と内部環境の間の各種イオンの濃度調節は細胞にとって必須課題となった。P型ATPaseは,生命誕生以来,細胞の進化と歩調を合わせ,細胞の要求に応じてバリエーションを増やして,現在では五つのファミリー,11のサブファミリーからなるスーパーファミリーとなっている1,2)。
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