特集 生体膜その1
座談会 膜のATPaseについて
吉川 春寿
1
,
江橋 節郎
2
,
関根 隆光
3
,
水上 茂樹
1
,
大西 勁
4
,
中尾 真
5
,
大塚 正徳
6
1東京大学栄養学
2東京大学薬理学
3順天堂大学生化学
4名古屋大学理学部物理学教室
5東京医科歯科大学生化学
6東京大学医学部薬理学教室
pp.154-167
発行日 1964年8月15日
Published Date 1964/8/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425902581
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細胞膜(Cell membrane)について,本誌では過去2回にわたり欧文特集を行なってきた。今回は膜のATPaseに関する各種の問題に照明を加えようと試みた。御出席の方方はいずれもこの方面に秀れた足跡を印しておられること御承知の通りである。談論風発の中にも読者を裨益する所は大きいと思う。
司会,吉川 細胞膜にATPaseがあって,特にNa,Kの能動輸送に大きな役割をしているということがいわれだしてから,ここのところ膜ATPaseに対して新しい研究がでてきております。われわれもそれに非常に関心をもつているわけですが,この膜ATPaseが一体今までに知られているいろいろなATPaseとどういう関係にあるか。性質その他にどんな相違があるか,あるいはどういう類似点があるかということ,それともう一つ,いわゆる膜ATPaseが生理学的にどんな意味をもつているか,ということ,これを今日の主題としてお集まりくださった方々に活発に討論していただきたい。こういうのが私の狙いです。
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