特集 生物進化の分子マップ
11.酵素
クレアチンキナーゼの分子進化
鈴木 知彦
1
,
宇田 幸司
1
Tomohiko Suzuki
1
,
Koji Uda
1
1高知大学理学部物質科学科
pp.416-418
発行日 2006年10月15日
Published Date 2006/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.2425100289
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クレアチンキナーゼ(CK)を含むホスファゲンキナーゼ(PK)酵素群の進化には,分子進化の面白さが凝縮されている。祖先型酵素であるアルギニンキナーゼ(AK)は,その基質認識部位を巧みに変化させ,少なくとも6種類の酵素へと進化した。われわれ脊椎動物にはこのうちの一つ,CK遺伝子が受け継がれている。CKの起源は少なくとも8億年前に遡る。この間,遺伝子の重複と融合は頻繁に起こり,AKとCKでは異常な2ドメイン型あるいは3ドメイン型酵素が少なくとも4回独立に生じた。また,AK活性をもつ酵素も3回独立に進化している。
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